ディスクロージャー 2021
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事業計画・評価令和2年の日本経済は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により厳しい状況にありましたが、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」等の効果もあって個人消費が改善してきたことなどから持ち直しの動きが見られました。一方で、経済水準はコロナ前を下回った状態にとどまり、経済の回復はいまだ途上にあります。先行きについては少子高齢化・労働力人口の減少という従来からの問題に加え、新型コロナウイルスワクチンの普及による新型コロナウイルス感染症の収束がいつ頃になるのかなど、不確定要素が多く、不透明感が増しています。また、「横浜市景況・経営動向調査(令和2年12月)」によると、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う令和2年4月の緊急事態宣言や休業要請などの影響により、横浜市内の企業における令和2年4-6月期の自社業況BSIは△45.6前期比△36.8と、平成4年の調査開始以来、最大のマイナスとなりました。令和2年7-9月期、同年10-12月期はそれぞれ回復の兆しが見えたものの依然として低い水準で推移しており、先行きについてもほぼ横ばいで推移する見通しとなっています。(2)中小企業・小規模事業者を取り巻く環境新型コロナウイルス感染症の再拡大が続いている状況においても、民間金融機関や日本政策金融公庫による「実質無利子・無担保融資」のほか、柔軟な条件変更対応などにより企業倒産は抑制された状態が続いています。一方で、全国で休廃業・解散した企業は平成12年の調査開始以降最多(東京商工リサーチ「令和2年休廃業・解散企業動向調査」)となっており、また、神奈川県の休廃業・解散率は全国2番目(帝国データバンク「神奈川県休廃業・解散動向調査令和2年」)になっているとのことから、2度目の緊急事態宣言の発令などを受けて、先行きを見通せずに休廃業を選択する企業が増加する可能性があります。また、神奈川県の後継者不在率は72.3%と全国で6番目の高水準(帝国データバンク「令和2年神奈川県後継者不在率動向調査」)となっていることから、事業承継が神奈川県内企業の課題の1つとなっています。2.業務運営方針横浜市信用保証協会は、国や横浜市の中小企業振興施策を踏まえながら政策保証を活用した資金繰り支援、ならびに経営支援に取組むことを通じて、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受ける横浜市内の中小企業・小規模事業者(以下「市内事業者」)の金融の円滑化、経営の改善発達に貢献します。また、市内事業者への支援や社会貢献活動を通じて、国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献できるように取組んでいくこととし、令和3年度における各部門の業務運営方針を次のとおりとしました。(1)保証部門(2)経営支援・期中管理部門新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中で、引き続き金融機関と連携して市内事業者の事業状況や金融機関の支援方針を共有し、政策保証を積極的に活用しながら、経営に支障をきたしている市内事業者に対する迅速な資金繰り支援を実施します。併せて、新型コロナウイルスとの共存を前提とした「新常態(ニューノーマル)」に対応するための前向きな事業転換、事業多角化、デジタル化等の新たな資金ニーズにも適切に対応していきます。また、地域経済の維持・発展のため創業支援と事業承継支援を重要な課題と位置づけ、保証付き融資を利用した創業者(創業予定者を含む)に対しては「資金調達および創業後のフォローアップ」を通じて創業期を乗り越えるための支援を行い、事業承継が課題となっている市内事業者に対しては事業承継特別保証制度等を活用した経営者保証問題の解決により円滑な事業承継を支援し、市内事業者の成長または持続的な発展に繋げていきます。経営支援部内に「経営支援室」を創設し、経営支援と期中管理(返済軽減・元金据置などの条件変更対応、事故報告受付から代位弁済請求受付までの管理)を経営支援室に一元化することで、返済軽減先や事故先(分割返済不履行などの事由により金融機関から事故報告書を受領した先)に対する支援態勢を強化します。経営支援部門においては、「経営課題の解決に向けた金融支援も含めた伴走型の支援」を通じて、個別企業の実態やライフステージに応じた支援に取組んでいきます。特に、横浜市新型コロナウイルス感染症対応資金(実質無利子・無担保融資)をはじめとする新型コロナウイルス感染症関連の保証制度を利用した企業等のうち課題を抱える企業を訪問し、金融機関および中小企業支援機関等と連携した経営支援・事業承継支援に取組みます。中小企業支援機関等との連携にあたっては当協会が中心的役割割を担うことで、関係機関の連携の実効性を高めます。期中管理部門においては、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける市内事業者の返済軽減または元金据置(以下「返済軽減等」)に柔軟に対応します。ま●経営計画(令和3年度)1.業務環境(1)横浜市の景気動向13

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