事業計画・評価2019年は世界経済情勢の影響で輸出が弱い動きとなったことに加え、消費税率引上げや令和元年房総半島台風（台風第15号）などの影響により10月から12月にかけて企業の景況感が悪化したものの、高水準で推移した設備投資や公共投資が景気を下支えしました。先行きについては、東京オリンピック・パラリンピック関連の設備投資や公共投資の減少が見込まれ、景気回復の動きが弱まる可能性があるとともに、世界経済情勢の不確実性や少子高齢化・労働力人口の減少等を背景に、不透明な状況にあります。加えて、中国で発生した新型コロナウイルス感染症の拡大による経済への影響など新たな懸念材料もあり、先行きの不透明感は増しています。（２）中小企業・小規模事業者を取り巻く環境「横浜市景況・経営動向調査」によると、2019年の中小企業・小規模事業者の景況感は消費税率引上げ前の７～９月期に一旦回復が見られたものの、年間を通じては悪化の傾向にありました。横浜市内企業の景気見通しは横ばいとなってはいるものの、人 手不足や海外経済などの懸念材料を背景に、厳しい見方をしている企業は少なくありません。このような中において、生産性向上など企業の持続的な成長・発展に向けた支援が必要であるとともに、帝国データバンクの調査によると神奈川県内企業のうち後継者不在の企業の割合は全国平均を上回る水準が続いていることから、円滑な事業承継に向けた支援も必要となっています。２．業務運営方針横浜市信用保証協会は、国や横浜市の政策も踏まえながら信用保証ならびに経営支援を通じて、中小企業・小規模事業者のライフステージに応じた金融の円滑化、経営の改善発達に貢献し、横浜市内の中小企業・小規模事業者の「良きパートナー」となることを目指します。また、地域経済を支える中小企業・小規模事業者の事業承継を重要な課題と捉え、令和２年度における各部門の業務運営方針を次のとおりとしました。（１）保証部門地域に根ざした信用保証協会として、金融機関をはじめ中小企業支援機関等と連携しながら様々なライフステージにある企業の資金調達支援に取組み、自然災害等が発生した際には被災企業に寄り添い対応します。支援にあたっては信用保証料や金利の優遇措置のある横浜市中小企業融資制度を積極的に活用して、円滑な資金供給に努めます。また、『事業承継時に焦点を当てた「経営者保証に関するガイドライン」の特則』に対応した適切な運用に努めるとともに、事業承継特別保証制度も活用し（２）期中管理・経営支援部門（３）その他間接部門３．具体的な課題および課題解決のための方策（１）金融機関と連携した支援（２）地方創生に向けた支援（３）期中管理の徹底て円滑な事業承継を資金面で後押しします。期中管理部門においては、金融機関と連携して個別企業の実態把握に努め、返済緩和先の正常化や経営改善支援に取組みます。経営支援部門においては、金融機関や中小企業支援機関等と連携し、個別企業の課題に即した経営改善、生産性向上、ならびに事業再生を支援するとともに、事業承継に向けた「準備の必要性の認識（きっかけ作り）」および「経営状況・経営課題等の把握（見える化）」を支援することを通じて、円滑な事業承継を後押しします。公的な保証機関として公益的使命および社会的責任を果たすため、コンプライアンス意識の向上、ガバナンス態勢の強化、反社会的勢力の排除、災害等の緊急事態が起きた場合でも業務運営に支障を来たさないための態勢づくりなどに継続的に取組み、持続可能な業務運営を目指します。また、各部門の業務を支える職員のスキルアップと組織力の向上に努めるとともに、当協会の役割や取組みについて地域社会に理解を深めてもらうため、タイムリーな情報発信に取組みます。①金融機関と連携し、金融機関紹介や保証付き融資とプロパー融資を柔軟に組み合わせる取組みを充実させることで、中小企業・小規模事業者の資金調達を支援します。②経営者保証を不要とする保証制度と新たな事業承継特別保証制度の推進により、経営者保証に依存しない融資の拡大と事業承継時の資金調達を支援します。①企業のライフステージや自然災害等が発生した際の資金ニーズにも対応した融資制度、支援内容の周知を図り、創業者、小規模事業者、設備資金を必要とする事業者等を支援するために、横浜市や中小企業支援機関等との連携を強化します。②中小企業・小規模事業者の多様な要望を利用者目線で考え、事業の発展を支援します。①延滞初期段階の先について、金融機関を通じて早期に実態を把握し、状況に即した迅速な対応を行います。②分割返済不履行・法的整理などの事由により事故報告書を受領した先については、実態把握を徹底して個別企業の状況に応じて適切に対応します。9●経営計画（令和２年度）１．業務環境（１）横浜市の景気動向
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